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「HIV」なんて人ごとさっ! さすがに今どき、そんな風に考える人も少なくなっているとは思うけど、「HIV」についてキチンと理解できているのかな? そして予防するためにどうすればいいのか、本当に分かってるのかな? このコーナーでは、「HIV」の実態を知り、予防していくための方法を考える。
文・溝口哲也
1976年生、現在29才。
昔は性感染症の勉強会やレズビアン&ゲイ映画祭のスタッフでしたが、今ではただの社会人です。HIV関係ではもはやただの素人同然ですが、そのぶん初心に戻ってがんばりたいと思います。

PART1:僕らのとなりの「HIV」
〜今さら聞けない素朴な疑問に答えます!〜

第22回
今さらですが、「ナマ派の人にコンドームを着けてもらうには?」

イラスト/タカサキケイイチ

Q「正月にサウナで生まれて初めてタイプの人とできました。その人はタチで、「ゴムなしじゃないとやりたくない」と言うのです。僕はモテないので、こんなタイプの人とやれるチャンスなんて二度とないと思い、生でやってしまいました。でも、それから心配で不安な日が続いて後悔しています。すごくタイプに人に生でやらせろ、と迫られた時は、どうやってコンドームを着けてもらえばいいのでしょうか?」(広島/しょう太・23)

質問は「タイプの人にどうやってコンドームを着けてもらえばいいのか」ですか。はぁ。だったら、単純につけてくれと頼めばいいんじゃないですかね(ぶっきらぼう)。え、そういうことではない? 自分はコンドームをつけて欲しかったのに、相手はいやがってしまった、と。だったらさー、そんなの別に無理してやんなきゃいいじゃん(いらついてる)。え? そういうことでもない? どうしてもタイプだからやりたいけど、それでもやっぱり生はイヤだってこと?(どんどんいらついてる)

 甘えんなッ! 喝ーッ!

タイプの人とどうしてもやりたい気持ちはわかりますよ。でもねえ、ある程度交渉した上で、それでも相手が生でしたがるんだったら、そんなのしょうがないじゃない。「絶対に相手にコンドームを付けさせる秘技」なんて技でもあれば話は別ですが、そんな都合のいいものはありません。この場合、自分の意思を貫いてセックスしないか、妥協して生でセックスしてしまうか、答えは二つに一つです。僕は前者をおすすめしますが、これはしょう太さんが自分で決めることですよ。

それよりも僕が気になったのは、この質問の「僕はモテないので、こんなタイプの人とやれるチャンスなんて二度とない」というところ。これさー、あなたがそんな卑屈な考え方だから、相手に負けて不本意なセックスをしてしまって、そのくせ後からウジウジ悩んじゃうんですよ! コラ、しょう太、もっとシャキっとせんかい!

なんか女性誌みたいなアドバイスですけど、男にモテないのをあきらめてないですか? モテないなら、努力してモテるようになればいいじゃない。この世界の好みは千差万別。体を鍛えるなり髪型や髭を整えてみるなりしてみれば、きっとそれだけで今まで以上にモテるもんだと思いますよ。それにモテのチャンスは発展場だけではありません。もしゲイバー等の場所に行くのなら会話のスキルや立ち振る舞いも重要になりますし、逆に外見だけが重要視されがちな発展場でも、そういった態度まで含めた「雰囲気」は、きっとその人からにじみ出てくるものだと思います。また、最悪、もしも見た目や会話のスキルが全く改善されなくても、そういった努力する姿勢は第三者からすれば魅力的に映るものです。頑張ってみるだけでも周りの好感度は上がる可能性は高いんだから、ダメ元でもぜひモテるように努力してみてもらえればと思います。

まあね、確かに、どれだけ頑張ってみたところでキモメンがそう簡単にはイケメンにはなれないと思いますよ(みもふたもない)。でも、ある程度でも自分の市場価値が高まれば、いくらかでもタイプの人とセックスできる機会は確実に増えるはずです。僕の個人的な感想では、どうもしょう太さんはあまりセックスに慣れてない感じがするんですが、どうでしょうか? しょう太さんもそこそこタイプの人とやりちぎってセックスに慣れておけば、万が一モロタイプの人から生でやられそうになっても嫌といえる余裕も生まれてくる気がします。大事なのは実践ですよ!

今回の回答は、HIV絡みというよりもなんだか人生相談みたいになっちゃいましたね。でもジーメンではこういった質問も受け付けていますので、みなさんも何かセックスに関する質問・相談がありましたらぜひお送りいただければと思います。ではまた来月!

Part2:ポジティブなPositive Lifeのために
〜感染している人にとって必要な情報をコンパクトにまとめて〜
第6回
検査結果の見方 その2
 こんにちは。今月は、先月に引き続いて、検査結果の見方についてお話ししたいと思います。先月はHIVに直接関係のある、ウィルス量とCD4でしたね。今月はその残りの主なものを取り上げます。主として副作用が出ていないかどうか、見るためのものです。

■白血球数=免疫力の大まかな目安
 白血球は免疫に関わる血液中の細胞の総称です。この中にリンパ球や顆粒球、マクロファージなど、様々なものが含まれています。前回お話ししたCD4はリンパ球の中の一つです。

 健康な人の平均値は3,500〜8,000程度です。主に細菌感染で数値が上がりますが、ウィルス感染でも(風邪を引くなど)上がることがあります。白血病では50,000とか130,000など、異常な数値を示します。HIVに感染している状態では数値は下がり、下限値を切る場合も多くありますが、CD4の数値の方が治療の上では重要です。CD4が下がれば白血球も下がり、CD4が上がれば白血球も上がる傾向があり、その傾向から大きくはずれていないかどうか、確認するのが主な目的です。異常な動きを見せたときは、原因をすぐに調べることが必要でしょう。

■赤血球数=貧血の有無
 ご存じの通り、体中の細胞に酸素を運ぶ赤血球がいくつあるかを示す数字で、4〜500万程度が基準値です。AZTの副作用として貧血があり、そのチェックのために利用されます。AZTを服用してこの数値が大きく下がれば、医師は薬剤の変更を検討することになるでしょう。HIVそのものによる貧血である場合もあります。

■中性脂肪、総コレステロール、HDL
  コレステロール=実は非常に大切
 こちらも耳にすることが多いと思います。人間ドックや健康診断で必ず調べられる項目ですね。動脈硬化や糖尿病など、生活習慣病の指標として用いられています。
 基準値は、中性脂肪は50〜150、総コレステロールが120〜220、HDLコレステロールは40〜75です。HDLコレステロールは別名「善玉」コレステロールと言われ、これだけは低いより高い方が健康です。これらの数字は、HIVとは直接関係ありません

 しかし、最近これらの数字はとても重要視されています。というのは、プロテアーゼ阻害剤(PI)やd4Tの副作用として中性脂肪やコレステロールが上がり、動脈硬化や脳卒中など、血管の病気を引き起こす原因になることが分かってきたからです。「HIVは抑えられたけど、心臓麻痺で亡くなった」では治療している意味がありませんよね。数値が好ましくないと判断されれば、PIでも比較的数値の上がりにくいATV、もしくはこれらの数値に影響を与えないEFV、NVPなどの非核酸系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)に変更するなど、何らかの対策を考える必要があるでしょう。

 太っている人など、もともとこれらの病気を持つ人が、PIやd4Tを服用するときは要注意です。ダイエットや禁煙が勧められる場合もあるでしょう。なお、中性脂肪は空腹時と満腹時で数値が全く違ってしまうので、空腹時に検査するようにしましょう。

■GOT、GPT=肝臓が正しく働いているか
 どちらも肝機能の数字で、この数字は低い方が健康です。高いと肝細胞の中の酵素が血液中に流れ出ている=炎症で細胞が破壊されていることを示しています。基準値は40くらいまでです。

 お察しかも知れませんが、これらもHIVの感染とは直接関係ありません。どのHIV薬も副作用として多かれ少なかれ肝臓に負担をかけるので、治療を継続できるかどうか、常にモニターする数値です。PIやNVPではこの2つに異常が出る傾向が高く、もともと肝臓の弱い人や慢性B型肝炎の人は注意して見ていてください。大酒飲みの人もついでにチェックしましょう。

 副作用と生活習慣病が密接に関わっていることがおわかり頂けたかと思います。HIVとは直に連動しなくても、治療薬と関係しているので、常に確認することが必要なのですね。それではまた来月。

今月の薬情報
梅干しとウナギ? 添付文書を眺める その2
 今月も添付文書をぼんやりと眺めていたらまたいろいろと発見しました。「併用禁忌」と「併用注意」のところで、それぞれ「一緒に飲んではいけない薬」「一緒に飲むときに要注意な薬」のことです。ここでは区別せずに紹介しますね。

●主にPI:セントジョーンズワート
アメリカで売ってる「元気が出るハーブ」みたいなヤツ。これは要注意薬として有名。

●SQV-SGC、HGC:ニンニク成分含有製剤
健康食品でよくあるカプセルにんにくのことみたいです。「ニンニク約8g」と書いてありますが、こんなのラーメン屋で山盛り一杯入れたらもうオーバーしてるんじゃないの?

●ddC:酸化マグネシウム
略称「カマ」、下剤です。事前に下剤が必要な行為がお好きな方は、別の薬にしましょう。

●ABC:methadone(日本未発売)
メタドンはヘロイン中毒の治療にアメリカで使われているもので、ヘロインと作用はあまり変わらない、要は合法の麻薬ですね。欧米ではHIVと薬物中毒は非常に近いことがよくわかります。

●DLV:アンフェタミン製剤(日本未発売)
こっちは覚醒剤、ヒロポンですね。上記参照。

●NVP:経口避妊薬
ピルのことですね。さすがにこれは関係ありません。妊娠したい人もいるのに、不条理な世の中です。ゴム付けろってことでしょうか。

●LPV等:シルデナフィル
バイアグラですね。そ、そうか、飲んじゃダメ(もしくは要注意)なのか…。
※掲載されている情報は発売当時のものですのでご了承下さい。

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