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| 「HIV」なんて人ごとさっ! さすがに今どき、そんな風に考える人も少なくなっているとは思うけど、「HIV」についてキチンと理解できているのかな? そして予防するためにどうすればいいのか、本当に分かってるのかな? このコーナーでは、「HIV」の実態を知り、予防していくための方法を考える。 |
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文・溝口哲也
1976年生、現在30才。
昔は性感染症の勉強会やレズビアン&ゲイ映画祭のスタッフでしたが、今ではただの社会人です。HIV関係ではもはやただの素人同然ですが、そのぶん初心に戻ってがんばりたいと思います。 |
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PART1:僕らのとなりの「HIV」
〜今さら聞けない素朴な疑問に答えます!〜
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第31回
今さらですが、SMプレイに感染の危険性はありますか? |
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イラスト/タカサキケイイチ
| Q:「最近ネットで知り合った兄貴からSM調教を受けはじめました。プレイの際は一抹の人間性も認められず全て兄貴の望むままに仕込まれていますが、一応性病やHIVのようなことも心配になったので投稿してみました。そういった意味では、SMはどうですか?」by 資本主義の豚 (東京都/33歳) |
今回の質問はSMについて。そういえば自分、ちょっと乱暴なプレイぐらいは経験あるけど、ちゃんとしたSMってまだ一度もやったことないな…。ゲイ産業の片隅に籍をおかせてもらってる者としては、いつか本格的なSMもやっておきたいもんです。その時は広告に載っているSMクラブにでもお願いしようかなあ。
さて、SMっつってもいろいろなプレイがあると思うので、とりあえずHIVや性感染症に関係ありそうなプレイだけをまとめてみました。「SM」とひとくくりに言っても「言葉責め」とか「放置プレイ」とかはぜんぜんHIVや性感染症の心配がないんで、だいたい次のようなところにだけ気をつけてもらえればと思います。
■SMでの、HIV・性感染症予防のポイント
「ムチ打ち」
普通に体を打つくらいであれば問題ありませんが、もしもMが出血してしまった場合は、Sの血液や精液が傷にふれないように注意しましょう。
「ディルド(張り型)」
基本的に、ディルドをケツに突っ込むだけならHIVや性病の心配は一切ありません。ただ、S一人、M二人というような構成で、同じディルドを二人のMに交互に挿入しちゃったりしちゃうと、Mの直腸から出血した血液がもう片方のMのケツに入ってしまう可能性がありえます。二人以上でディルドを使う時は、常にコンドームをかぶせて、相手を変える時にかならずコンドームを付け替えるようにしましょう。
「浣腸」
浣腸も、ふつうにする分には大丈夫。ただ、Sがチンコを生で入れてそのままMの中に小便をする「小便浣腸」は、生掘りとほとんど変わりませんのでHIVに感染する可能性があります。Sが小便を別に出してそれを浣腸器で吸い上げてMに注入する場合は、生掘りには当たらないのでリスクは低いと思いますが、もしかしたらSの尿に血が混じっているという可能性もゼロではありませんので、あまりおすすめしません。
「フィスト」
傷がついていなくて手に健康な皮膚の状態であれば、血が付着してもHIVに感染する可能性はありません。ただ、場合によっては手にこまかいささくれとかができている場合もあるでしょうし、いつも毎回に手に傷がないとは言い切れないので、手にはグローブをつけることをおすすめします。あと、グローブをつけるとSのツメでMの腸を傷つけにくくなるというメリットもあります。
「スカトロ」
体にかけるとか塗るとかいう程度であれば、尿や便も基本的に問題ありません。ただ、小便浣腸の時に書いたように尿や便にも血液が混じっている可能性はゼロではありませんので、口の中に入れるのはおすすめしません。
「ピアッシング」
ピアッシングの際は当然傷ができますので、Mの傷にSの精液や血液がつかないよう注意が必要です。逆にSに傷があった場合は、Mの傷から出た血がSの傷に触れないようにする必要がありますね。ニードルやピアスには血液が付着している可能性がありますので、共用する際は事前に消毒しておきましょう。
…と、まあいろいろと書きましたが、チンコ挿入やフェラの比率が少ない分、実際は、SMはセーファーな部分も多いです。資本主義の豚さんも、今日お伝えした最低限のポイントだけ覚えておいて頂いて、これからも非人間的なSMライフを楽しんでくださいね。ではまた来月〜。
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Part2:ポジティブなPositive Lifeのために
〜感染している人にとって必要な情報をコンパクトにまとめて〜 |
第16回
服薬をわざと中止する? |
HIVの治療、HAART(3剤併用療法)は毎日必ず薬を飲むことが何よりも重要であることは繰り返すまでもないと思いますが、その逆で服薬をわざと中断する治療法、STIと呼ばれているものがあります。
副作用や他の病気など、何らかの理由でHAARTを中断せざるを得なかった人たちの経過を見ていると、中断してもしばらくはCD4やウィルス量が低いままで保たれる人がいることがわかりました。この結果をうまく利用できないか、と考えられました。
STIは、服薬期間の間に薬を飲まない休薬期間を挟むことで、できるだけ少ない服薬期間で免疫機能を最大限維持しようとするものです。休薬期間中は定期的にCD4が下がっていないかどうか検査し、下がってしまったらまた服薬を開始します。今までの「ずっと飲み続ける」とは全く違うものであることがおわかり頂けると思います。
■STIの背景-副作用と服薬疲れ
HAARTは長期にわたって続くものです。そのため、高脂血症などの副作用から脳卒中や動脈硬化などの血管障害や、リポジストロフィーなど、別の疾患のリスクが高くなってしまいます。この副作用を回避するために、休薬という戦略は魅力的です。副作用が深刻になる前にHAARTを安心して中止することができれば、治療にも専念できます。これがSTIが研究されている理由の一つです。
もう一つのファクターは、アドヒアランスの維持です。何年も服薬を続けていると、心理的なストレスがたまり、中には自分で勝手に服薬を中断してしまう人が出てきます。毎日毎日「飲み忘れてはいけない」というプレッシャーに耐えるのはしんどいものです。「あと半年たったら薬は休み」とゴールが設定できれば、アドヒアランスも維持しやすくなるでしょう。
このような背景から、STIの効果が検証できれば、その間服薬から解放されてリラックスした生活を送ることができたり、耐性ウィルスの発現を遅らせることができたりなど、新しい治療オプションとしての可能性があるのではないかといろいろ研究されてきました。
■STIを導入する条件
ただ、どんな人でもこの治療が可能であるわけではありません。HAARTが成功して、CD4も順調に復活し、ウィルス量が限界以下に抑えられている人がまず候補になるでしょう。中断したために別の病気になったのでは意味がないので、日和見感染症の危険が非常に低いことがポイントになります。
また、月1回程度の定期的な経過観察が可能であることも重要です。CD4が下がったまま放置しておけば、日和見感染症のリスクが非常に高くなります。病院からの距離や仕事などで定期的に通院するのが難しい人には、STIは勧められないでしょう。
■STIはよく主治医と相談して
現在、日本、アメリカ、欧州など、世界規模でSTIの臨床試験が行われています。数年にわたって経過を見るので、結論が出るのはその後、まだかなり先です。今の段階ではSTIのメリット・デメリットはまだまだ明確になっていません。不明な点もたくさんあります。
服薬を中断したときに耐性ウィルスを誘導しないかどうか、また、HAARTを再開したときに、前の時と同様に免疫機能が回復するのかどうか、まだよくわかっていません。また、CD4が高い時点でHAARTを始めた場合は、CD4が下がるスピードが遅い、すなわち休薬期間が長く取れるのではないかと、複数の症例研究から推定されています。
STIはまだまだ未知数です。もし、服薬のストレスが溜まっていて、休薬したいと思ったときは、主治医とよく相談してください。今の時点でわかっていることは非常に少ないので、決して安易に一人で決断して始めることのないようにして下さい。 |
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HIVにも種類がある?
いま広がっているのはHIV-1
少し前ですが、日本人で初めてHIV-2に感染していることが確認されたとニュースになりました。今問題になっているのはHIV-1で、HIV-2は西アフリカの限られた地域でしか見られないものですから、日本で生活している限り感染する可能性は非常に低いでしょう。この人は現地で輸血をしたとのことで、そこからの感染が疑われています。
HIV-2は感染力も弱く、発症するまでの潜伏期間が長いとされています。いわゆる「耐性ウィルス」とは全く違ったものです。通常のHIV検査は2段階になっていて、スクリーニングと確認検査が行われますが、スクリーニングではHIV-2はひっかかるものの、確認検査はHIV-1しかチェックしないため、HIV-2はスルーしてしまうのだそうです。厚生労働省はHIV-2をスルーすることのないように関係機関に周知したとのことです。今のところ、私たちの生活にはそれほど縁がありませんが、感染経路は変わらないので、セーファーセックスには今まで通り留意して下さいね。 |
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| ※掲載されている情報は発売当時のものですのでご了承下さい。 |
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